ステップムーブメントの仕組み

時計が針を刻む仕組み
歯車をいくつもかみ合わせ、遠くの歯車まで回転させる構造をイメージできるでしょうか。時計の針が正確に時間を刻むことができるのは、この歯車を組み合わせた構造のおかげです。ゼンマイ式の歯車を原動力とし、分針を動かす歯車と秒針を動かす歯車とを、順番にかみ合わせます。そこへ、分と秒で別々に動作させるための、仲介役の歯車を添えていきます。さらに、ゼンマイはあくまでも動力源ですから、動作を規則正しくコントロールする部品も必要です。最後尾にリズムを計る部品を用意し、直前の歯車でブレーキをかけるよう制御するのです。かなり大雑把な説明ですが、いくつかの歯車をゼンマイで動かし、リズムを整えてあげているのが、時計の仕組みとなります。
ステップムーブメントとは
1秒ごとに移動する、秒針の動作を指してステップムーブメントといいます。カチッカチッと音を立てながら秒針が動く、一般的な時計ですね。これに対し、スーッとなめらかに移動し続ける秒針の動作をスイープムーブメントといいます。動作に違いはあるものの、原理はステップムーブメントと変わりません。人間の目では追えない速さで秒針が動いているだけで、連続して動いているよう錯覚させているだけなのです。アニメーションで絵が動いて見えるのと同じ理屈ですね。
ちなみに、ステップムーブメントのほうが省エネに優れています。これは、ステップムーブメントは1秒に1度しか秒針を動かさないのに対し、スイープムーブメントは1秒に何度も秒針を動かすため。秒針を動かすには動力が必要ですから、ステップムーブメントほうが電力消費が少なく済むのです。