電波時計の仕組み

電波時計にはクォーツとともにアンテナが内蔵されている
時刻合わせをしなくても常に正しい時間を表示してくれる電波時計はとても便利なものです。では、なぜ電波時計の時間は常に正確なのでしょうか。まず、最近の時計はクォーツが内蔵されているものが多く、クォーツの振動で時間を計測するようになっています。ただ、クォーツは半永久的に正しい時間を刻むわけではなく、一ヶ月で数秒から数十秒程度の誤差を出してしまいます。
では、電波時計はクォーツよりも正確に時間を刻むものが内蔵されているのかというと、そうではありません。電波時計もクォーツ時計なのです。それなのになぜ時間が狂わないのかというと、中にアンテナが内蔵されており、定期的に時刻データを受信して補正する仕組みになっているからです。
時刻データを発信しているのは国内で二カ所
日本国内には時刻データを送っている基地局が東北と九州に存在しています。発信している電波は非常に強いものであり、この二カ所で日本全域をカバーしているのです。ちなみに、基地局が発信している時刻データの元になっているのは「原子時計」が刻んでいる時間で、これは10万年に1秒しか誤差が出ないといわれています。
電波時計の特徴として、普通の時計と比べると電池が早くなくなるというのが挙げられますが、これは時刻データの受信が原因です。建物の中や地下などにいると電波を受信できないことがあるため、受信のタイミングが一日に一回程度だといつまでも正常に受信できず、時間が狂ってしまうケースが出てきます。したがって、電波時計の多くは一時間に一回程度とわりと頻繁に電波を受信するようになっているので、電池が減りやすいのです。