クォーツ時計の仕組み

電圧をかけた水晶の振動を時間に換算して表示する
旧家などに行くとゼンマイ式の柱時計があったり、金銭的に余裕がある人は機械式の腕時計をつけていたりしますが、大抵の一般人が所有しているのはクォーツ時計といっていいでしょう。時計にあまり興味を持っていない人は、針で時刻を指し示すアナログ時計と液晶画面で時刻を表示するデジタル時計はまったく別物だと考えているかもしれませんが、中身は基本的にクォーツ時計であることがほとんどです。 では、クォーツ時計はどういった仕組みで動作しているのでしょうか。まず、クォーツとは液晶のことです。液晶に電圧をかけると決まった周期で振動します。あくまでもたとえですが、1秒ごとに1回振動するのであれば、クォーツが60回振動したらそれは一分を示すということになるわけです。クォーツ時計はこの現象を応用し、振動を時刻データに変換して時間を表示しています。
クォーツ時計の時間はなぜずれることがある?
では、決まった周期で振動していてそれを時刻データに変換しているにもかかわらず、なぜクォーツ時計を使い続けていると時間表示が遅れるといったことがあるのでしょうか。これは、水晶を収めている「水晶振動子」と呼ばれるパーツの性能にばらつきがあるからです。つまり、水晶に対してダイレクトに電圧をかけているのではなく、水晶振動子を通してかけているため、水晶振動子に精度などによって誤差が生じてくるというわけです。 そのため、非常に精巧に作られたクォーツ時計と100円ショップで購入できる時計を比べると、水晶振動子の精度が高い前者の方が一般的には誤差が小さくなります。したがって、高価なクォーツ時計は単に材料が高級だったり、防水性能が高いといったことだけではなく、表示する時間も正確といえるでしょう。